近年、スマートフォンのカメラの性能は著しく向上しています。
画像の美しさはもちろんのこと、笑顔を認識して自動的にシャッターを切る機能や暗い環境でも明るい画像が撮影できる、4kの映画並みの画質の動画が撮影できるなど、デジタルカメラと比べても遜色ない性能を備えています。
これらのカメラ機能を支える重要な要素が「画質設計」です。スマートフォンメーカーは、より正確な色再現や高画質化のための基準光として人工太陽照明灯SOLAXを採用しています。
カメラの画質を設計・評価するには、「正しい光の下での色再現」が必要不可欠です。私たちが物体の色を認識するのは、物体表面に当たった光の反射を目でとらえることで成り立っています。
例えば、真っ赤な光の下では、白い紙も赤く見えてしまいます。つまり、光の特性が変わると、物体の見え方も変わるということです。
そのため、スマートフォンのカメラ画質を正しく評価するには、「自然光に限りなく近い光」 を基準光として使用することが重要になります。SOLAXは、国際照明委員会(CIE)が定める自然太陽光の基準に基づいた人工太陽照明灯であり、スマートフォンの画質設計やカメラ評価に最適な光源です。
SOLAXが画質設計において選ばれる最大の理由は、時間や場所に左右されず、一貫した光条件を提供できることです。
•常に一定の照度・光スペクトルを提供可能
•時間帯や天候に影響されず安定した画質評価が可能
•スマートフォンのカメラが再現する色彩の基準を確立
カメラの画質設計では、チャート(色見本)を基準光の下で撮影し、画像の色再現性を数値化して評価します。SOLAXを用いることで、正確な光条件下での比較・評価が可能となり、メーカーが求める画質基準の策定に役立ちます。
また、基準作りに付随してユーザーは以下の目的でも人工太陽照明灯を使用しています。
①ライバル会社のスマートフォンのカメラの性能を自社製品のものと比較する。
②改良を加えたカメラの性能がどのくらい向上したのかを評価する、あるいは設計通りに性能が向上したのかを確認する。
③画素数の多いデジタルカメラとの性能を正確に比較する。
主にユーザー様に選ばれる機種はSOLAX 500WシリーズのXC-500AFです。これを複数台使用してチャートを照明します。
SOLAXは、単体での使用だけでなく、スタジオ照明としての活用 も進んでいます。例えば、下の写真のようにフレームへ複数のSOLAX照明を組み込むことで、色温度変換フィルターやディフューザーを装着しやすくなり、さまざまな光環境での評価・試験が可能になります。
•光のバリエーションを増やし、より精密な画質設計を実施可能
•高輝度・高均一性の照明環境を提供し、スマートフォン画質評価を強化
スマートフォンのディスプレイやカメラ開発には、こうした「正しい光環境の構築」が不可欠です。人工太陽照明灯SOLAXは、自然光に最も近い光源として、多くのスマートフォンメーカーに採用されています。
カメラの画質設計や基準光の導入をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。