自動車のデザインは、コンセプト策定からリリースまで数年を要します。その車種の機能、ユーザーが乗車するシーンの想像、性能など様々な要素を盛り込んで、自動車のデザインは決定されます。
その中でも重要なのが『色』。
メーカーがターゲットとするユーザー像から色を決定し、試作を繰り返しながら色を決めます。色の決定は自動車メーカーだけでなく塗料メーカーも参加します。あるいは塗料メーカーからの提案の中から自動車メーカーが色を選択する、ということもあります。
最近の自動車塗料は複雑です。メタリックの粒子の大きさや形なども制御されて製造されますので、角度特性の確認は非常に重要です。またフリップフロップ性の、見る角度によって見える色が違う塗料もあり、これらの複雑な塗料は新型車のデザイン戦略の重要な位置づけとなっています。
そして試作された車体の塗装の評価、競合他社製車との比較、社内のエグゼクティブに向けたプレゼンなどのために、できるだけ屋外環境を室内で再現したいという理由で人工太陽照明灯SOLAXが自動車メーカーのデザイン部門に採用されています。
新車開発は情報漏洩に大変気を遣います。ライバル会社に新車の情報が洩れると、対抗策の着手が早まり販売に影響してしまうからです。本来ならば日当たりがよく壁全体が窓のようなデザインルームで車を評価したいところですが、窓越しに望遠レンズで試作者が撮影されたりすることを恐れ、外から覗き見ることのできない場所での評価を強いられます。
そのような環境に太陽光をもたらすため、人工太陽照明灯SOLAXが大活躍するのです。
近年は高演色性LEDが採用されることもあるようですが、自然太陽光よりも色再現性は著しく低く、やはり人工太陽照明灯でないとよく見えない、とカーデザイナーの方はおっしゃいます。
自動車メーカーのデザイン部門では、人工太陽照明灯500WシリーズのXC-500AFが多く使われます。車全体を屋外に近い光環境で照明することで、塗装の機能美が正確に再現できます。
塗料メーカーも、自動車メーカーへのプレゼンの際SOLAX500W(XC-500AF)を使用します。塗装の色再現性、フリップフロップ性の再現の性能が高いことが理由です。塗料メーカーの方は、自動車メーカーのデザイン部門、商品企画の方々に塗装の新しい機能などを正確にお伝えするための必須のツールとして、人工太陽照明灯は欠かすことのできない重要アイテムであるとおっしゃいます。
デザインの良し悪しは販売戦略上とても重要です。売れる/売れないは未来の事で不確定要素ですが、そんな中で“光環境”という不確定な要素をできるだけ排除して屋外環境を整備することは、販売戦略をより高精度にするために重要である、と言えます。
天候や時間を気にせずに色の評価、プレゼン等ができる屋外環境を室内に作りたいとお考えでしたら、経験豊富なセリックへぜひご相談ください。