航空機の評価試験の中に、コックピットのディスプレイの視認性(Sunlight Readable)評価という項目があるそうです。
映画トップガンでトム・クルーズが戦闘機を操縦する際は必ずヘルメットかサングラスを着用していますよね。あくまで映画の世界の印象でしかないのですが、航空機の操縦士が裸眼で操縦するシーンは印象がありません。

特に高度10,000mの巡航高度では大気が薄く、地表のような塵や埃もほとんどないため、コックピットの操縦士は地表よりも高い照度に晒されることになります。そのためサングラスやヘルメットのシールドでの目の保護は不可欠です。
そうするとコックピットのディスプレイは、より高い輝度と視認性が求められます。
民間機と軍用機ではコックピットの環境が違う(ガラスが占める割合や白い素材の部分の多い/少ない等)ため、それぞれに規格が定められています。
・民間機規格:SAE ARP5289/ARP1874
雲の上での運用を想定し、86,100Lx(8,000foot-candles)~107,640Lx(10,000foot-candles)の周囲環境で誤読なく認識できること
・軍用機規格:MIL-STD-3009
完全に大気の影響を排除した高空を想定し、107,640Lx(10,000 foot-candles)の拡散光と、太陽の直接反射をシミュレートする高輝度スポット光源の組合せで評価
いずれの場合も107,640Lxという、地上で必要とされる100,000Lxよりも高い照度が要求されます。
コックピットの計器類の視認性評価において、当社の人工太陽照明灯が採用された事例があります。ご紹介できる例を以下に記します。
●空と計器類のコントラストを再現
コックピット内から前方の空を見ている状態で計器類に視線を移した時、計器類が誤認なく見ることができるかどうかの検証です。
半透明のアクリル板と人工太陽照明灯XC-500AFSSを組み合わせて面光源を作り、アクリル板を空に見立てます。空に見立てたアクリル板と計器類を交互に見ながら、「空に目が慣れた状態で計器を見た時に問題なく見えるか」を官能評価します。
●計器類に太陽光が直接当たる状況を再現
人工太陽照明灯XC-500AFSSで100000Lxの光を計器類に照射し、バックライトの輝度、色による見え方の違い、反射防止膜/フィルムの特性などを評価します。この時のお客様からの要求仕様に107,640Lxはありませんでした。
●LCD表示面への高照度照射
航空機用表示器の表示面(LCDパネル)に107,640Lxの光を照射し、視認性(Sun Light Readable)を評価します。
特に航空機の評価は公開できる情報が限られるため、他にもいろいろな用途例はありますがお伝え出来ないのは残念です。また知りえていない情報も多いため、当社が認識していない使用用途もあるかもしれません。
コックピットの視認性評価をされるユーザー様(メーカー様)に選ばれる機種は主に、スーパースポット型500WシリーズはXC-500AFSSです。
φ10㎝の範囲を自然太陽光と同等の照射強度で照射できるため、自然太陽光と同等の照度を必要とされるお客様には大変ご好評頂いています。

可視光だけでなく紫外線も照射したいお客様には、500Wスーパースポット型XC-500BFSSがお勧めです。
紫外線と赤外線の両方の影響や効果を検証したい場合は、XC-500LFSSをお勧めします。
1灯では照射できる範囲が狭いため、複数灯を使用してある程度の広い面を照射するケースもあります
航空機のパイロットはあこがれの職業です。心身ともに健康で、颯爽として知的な制服姿はカッコいいですよね。一方、多くの人の命を預かる責任の重い職業でもあります。
計器の見間違いや見落としが人の命に係わるミスにつながるかもしれない、となると、計器類の視認性評価は重要な試験項目になります。
人の命に係わる仕事に間接的にではありますが関われるのは、名誉であると同時に責任も重いこと。だからこそ正確な試験を行える光源装置をご提供しなければなりませんね。
当社は、そういう思いを込めて人工太陽照明灯を製造しています。
人工太陽照明灯の仕様・性能については下記ページをご覧ください。
・1sun(1000W/m2)や100000Lxを照射できる人工太陽照明灯集光タイプ(スーパースポット形)
・人工太陽照明灯SOLAX500Wシリーズ
※掲載している画像は、実際の写真とAI生成イメージを組合わせたものです。