フォトクロミックという素材をご存じでしょうか。
フォトクロミックとは、ギリシャ語の「Phos/Photo(光)」と「Chroma(色)」を合わせた造語で、光が当たることによって、色だけでなく分子構造も変化する素材を指します。
最大の特徴は、光を当てたり遮ったりすることによって透明と有色を行ったり来たりできる分子だということ。一般的な素材は変化はするけど元に戻らないのですが、フォトクロミック素材は「行ったり来たり(元に戻ったり)」できるという大変ユニークな素材です。

皆さんになじみのあるフォトクロミック素材というと、サングラス(眼鏡)が挙げられます。太陽の光に当たると色が付き、光が無くなる(少なくなる)と色が抜ける、という機能があります。
フォトクロミック反応を促す光の波長帯は、主に紫外線です。
紫外線がフォトクロミック素材に照射されると、可視光を吸収する構造分子に変化するそうです。
最近では可視光の波長の短い領域(紫~青)でも反応を起こす素材が開発されています。
これは、自動車のフロントガラスが紫外線カット機能を持っているとサングラスがフォトクロミック反応を起こさなくなるため、その対策のためです。
サングラスの他にもフォトクロミック素材は、すでに様々な用途で活用されています。
・印刷物(紫外線でロゴや絵柄が浮かぶカードやパッケージ)
・日傘やテント(日光で柄が浮き出る演出)
・洋服(紫外線によって色が変わる)
など、さまざまな領域に利用されています。ファッションアイテムとしての需要もあるようですね。
また、紫外線の有無を確認するための、紫外線が当たると色が変わる「UVチェックカード」もフォトクロミック素材の利用例です。紫外線が遮断されると色が元に戻る可逆性を持っており、繰り返し使えるのも大きな特徴です。100円ショップでも販売されているようなので、興味のある方は購入してみてください。
人工太陽照明灯には紫外線を透過するフィルタがラインナップにあり、B/BFフィルタ、L/LFフィルタ付き人工太陽照明灯が評価用として活用されます。
評価の際は、照射する面の紫外線強度をあらかじめ測定しておき、
・色が変わるスピード
・変化後の色の評価
・透明な製品であれば色が変わった後の透過率の変化量
・紫外線を遮断した時の元に戻るスピード
などの項目を評価します。
これらの測定には、安定した紫外線を照射することが不可欠のため、人工太陽照明灯が使われています。
メガネレンズについては評価方法がJIS規格で規定されているので、光源以外の試験設備も必要になります。特に温度管理は重要項目で、温度によって変化のスピードが変わることが多いようです。従って恒温恒湿槽で温湿度を管理しながら光照射する試験が必要です。
ユーザー様に選ばれる主な機種以下の通りです。
・人工太陽照明灯500Wシリーズ : XC-500B/BFまたはXC-500L/LF
・人工太陽照明灯100Wシリーズ :XC-100B/BFまたはXC-100L/LF
・スーパースポット形人工太陽照明灯(自然太陽光と同等の紫外線強度が必要な場合) : XC-100BFSS/LFSS、XC-500BFSS/LFSS

正確なデータ測定を行いたい場合は、φ10㎝の範囲を自然太陽光と同等の照射強度で照射できる500Wスーパースポット型XC-500BFSSがお勧めです。また、紫外線と赤外線の両方の影響や効果を検証したい場合は、XC-500LFSSをお勧めします。
100W/500W、フィルタの種類によって、お勧めする用途が変わります。
お勧めする用途と機種の細かな関係は以下の通りです。
| φ10㎝を均一に照射して、正確なデータを測定したい場合 | XC-500BFSS |
| φ10㎝を均一に照射して、熱の影響や効果も同時に測定したい場合 | XC-500LFSS |
| φ2~3㎝の範囲を直射太陽光と同等の紫外線量で測定したい場合 | XC-100BFSS |
| φ2~3㎝の範囲を直射太陽光と同等の紫外線量で、かつ熱の影響や効果も同時に測定したい場合 | XC-100LFSS |
| はがきサイズ程度の大きさのワークを、変化の状態と色の関連や変化後の色の目視検査で使用したい | XC-100B/BF |
| はがきサイズ程度の大きさのワークを、変化の状態と色の関連や変化後の色に熱の影響が加わった状態を再現したい | XC-100L/LF |
| A4~A3サイズ程度の大きさのワークを、変化の状態と色の関連や変化後の色の目視検査で使用したい | XC-500B/BF |
| A4~A3サイズ程度の大きさのワークを、変化の状態と色の関連や変化後の色に熱の影響が加わった状態を再現したい | XC-500L/LF |
フォトクロミック素材の市場は右肩上がりに拡大しており、既に2000億円規模の市場が形成されています。さらに今後10年で2倍以上の市場規模になる予測もあり、さまざまな分野での活用が進んでいます。
フォトクロミック材料の評価では、照射条件や環境によって結果が大きく左右されてしまうため、評価目的に応じた光源や評価環境の選定が重要です。人工太陽照明灯は、このような評価環境を再現する目的として、幅広いお客様に採用されています。
フォトクロミック素材を使った製品の差別化や新規参入、販促データの測定などをお考えでしたら、経験豊富な弊社へお気軽にお問合せ下さい。お客様のご要望に合った装置をご提案致します。
人工太陽照明灯の仕様・性能については下記ページをご覧ください。
・人工太陽照明灯SOLAX500Wシリーズ
・人工太陽照明灯SOLAX100Wシリーズ
・1sun(1000W/m2)や100000Lxを照射できる人工太陽照明灯集光タイプ(スーパースポット形)