セリックではキセノンランプを使用した人工太陽照明灯XC-100A/AFと、LEDを使用した高照度LED人工太陽照明灯SOLAX-NEXTがあります。どちらも主な用途としては「色彩評価用」として使用されているのですが、その特徴や用途には明らかな違いがあります。
どちらのタイプを選択すれば良いか悩まれるお客様に、また、お選び頂いたタイプが適正かどうかをご判断頂くため、このページでは①それぞれに適した用途、②この2機種の基本的な違い、③長所・短所、などを詳しく解説します。ご使用に応じた製品を選ぶことにより、お客様の使用目的を効率的に実現することが可能となります。
「XC-100A/AF」は高性能な仕様から開発現場や調色、色彩のデジタル化など、厳密な色彩管理が必要なシーンで必要な時に使われます。また評価用光源として高い指向性が求められる自動車塗装などの複雑な色の評価・管理にもXC-100Aは有効です(この場合フロストフィルタを装着したXC-100AFより透明フィルタのXC-100Aの方が望ましいです)。
一方、「SOLAX-NEXT」は生産現場や店舗内ディスプレイ用など日常的に点灯し続けながら色彩検査や管理、色を強調したい商品に当てる時に使われます。
主な推奨用途は下記の通りです。
XC-100A/AF | SOLAX-NEXT | |
推奨用途 | ・開発品の厳密な色彩管理、標準化 ・色彩のデジタル化(数値化) ・自動車塗装など複雑な塗装の色評価、管理 | ・生産現場における日常的な色彩検査、管理 ・店舗内でのディスプレイ用 ・室内での商品写真撮影 |
どちらも主な用途としては「色彩評価用」ですが使用しているランプが違います。「XC-100A/AF」はキセノンランプを使用していますが、「SOLAX-NEXT」はLEDランプを使用しています。
定価、ランニングコスト、ランプ寿命はLEDを使用した「SOLAX-NEXT」の方が有利です。また、キセノンタイプの「XC-100A/AF」はランプの構造上、照射方向が下向き~横向きの照射に限りますが、「SOLAX-NEXT」は照射方向に制限が無く上向きでも照射することが可能です。
一方、「XC-100A/AF」は1987年の販売開始からもうすぐ40年を向かえるセリックのベストセラー製品です。世の中LEDがここまで普及している中で、今もなおこのキセノンランプ式の人工太陽照明灯が売れている理由は、世界一を誇る色彩評価用照明としての性能の部分であり、特に色彩評価で重要な項目の一つ、平均演色評価数についてはRa98を実現しており、「SOLAX-NEXT」でもこの平均演色評価数Ra98を実現していません(SOLAX-NEXTはRa97)。
主な仕様は下記の通りです。
仕様項目 | XC-100A/AF | SOLAX-NEXT |
光源 | 100Wキセノンランプ | LED |
寿命 | 約2000時間(連続点灯) | 約10000時間 |
ランニングコスト | 交換ランプ代 | LED光源だから長寿命 |
中心光度 | 3000cd/1600cd | 1900cd |
ビーム角 | 約48°/約60° | 約60° |
色温度 | 5500K | 5500K |
平均演色評価数 | 98 | 97 |
調光機能 | なし | 0~100% |
放射波長域 | 370~780nm(UVカット、IR約80%カット) | |
フィルタ種別 | 色彩評価用 | フィルタなし、フロストガラス標準装着 |
入力電源 | 100-120V 1.8A/200-240V 0.9A | 100-240V(100V:0.7A, 200V:0.36A) |
照射方向 | 下向き~横向き(上向き使用不可) | 制限なし |
本体重量 | 2.5kg | 3.0kg |
LEDランプを使用した「SOLAX-NEXT」の長所といえば、もちろん省電力、長寿命であることです。また、「XC-100A/AF」の機能には無い調光機能があり、明るさの調節が可能です。
短所といえば、演色性が「XC-100A/AF」と比べると多少落ちることです。
一方、「XC-100A/AF」は色彩評価用途での性能が高いことから、販売開始から40年近くたった今でも世界中の様々な業界へ導入され続けておりますので、それぞれの業界のデファクトスタンダード化(基準光源)とされていることです。またフィルタの交換やスーパースポット形(集光形)へ改造することにより紫外線/赤外線の有無の選択や、直射太陽光と同等の照射強度で照射が可能となり、色彩評価だけでなく幅広い用途へ応用できます。
短所は、キセノンランプはエネルギー効率が悪く、使用電力が大きいのと、ランプの交換費用が高いことです。
主な長所と短所は下記の通りです。
XC-100A/AF | SOLAX-NEXT | |
長所 | 1)色彩評価用に加え、フィルタの交換により紫外線の有無、赤外線の有無のなど放射波長域の選択が可能 2)スーパースポット形への改造によ り、直射太陽光と同等の照射強度で照 射が可能 3)色彩評価用光源としての長年の実績多数、特に塗料業界ではデファクトスタンダード化している。 4)各ユーザーがSOLAXを色彩評価用基準光源として利用していて、競合他社製品の割り込む余地がない。 5)経時変化が限りなく小さく、寿命末期まで使用しても新品と同様の光の質を維持。 | 1)LEDなので省電力、長寿命 2)LEDとしてはかなりの高演色性 3)高照度の光を広範囲で照射が可能 4)調光機能あり、明るさの調節が可能。 |
短所 | 1)キセノンランプはエネルギー効率が悪く、使用電力が大きい 2)ランプの交換費用が高い | 1)演色性がSOLAXより劣る 2)経年変化が大きい |
本ページでは、キセノンランプを使用した人工太陽照明灯「XC-100A/AF」と、LEDを使用した高照度LED人工太陽照明灯「SOLAX-NEXT」の基本的な特徴や違い、推奨用途について解説してきました。
「XC-100A/AF」は主に厳密な色彩評価が必要な方、「SOLAX-NEXT」はそこまで厳密さは求めないが日常的に色彩評価をする方向けに適しています。ぜひ、ご自身の使用用途、目的に応じた機種を選定頂き、より精度の高い色彩評価を実現下さい。
より詳しい内容につきましては各製品ページをご確認ください。
また、セリックでは、購入検討のための無償デモ機を用意しております。実際にお使いになりどちらが良いのかを事前に確認することも可能です。ご希望のお客様はお気軽にお問合せフォームよりお申し込み下さい。
人工太陽照明灯 SOLAX 100Wシリーズ https://seric.co.jp/product/solax100w/
高照度LED人工太陽照明灯 SOLAX-NEXT https://seric.co.jp/product/solax-next/